Effective Prototyping With Excel: A Practical Handbook for Developers and Designers (Morgan Kaufmann Series in Interactive Technologies)
エクセルでプロトタイプを作る、という書籍。
実際ここ数年ワイヤーフレームを描くのにはエクセルがよく使われているのは事実だが、そのまんま直球で本になるとは。盲点であった。
ざざっと読んだが、プロトタイピング(動きの検証)という意味ではいろいろと工夫しているが、やはりエクセルでそこまでやるならHTML等でプロトタイプを作った方がよいのでは?と思ってしまう。
情報の配置のパターン洗い出し、UI要素の検討、という意味では、たいていのオフィスPC(仕事に使うPC、という意味)には入っているエクセルで作るのは合理的だ。
これによって、WFが仕様書としてエンジニアの手に渡ったり、それがまた設計者によってブラッシュアップされたり、ということが可能になる。
はずだが、実際は一度設計に使われたWFを再利用する、というケースは少なく、書き直した方が速い、ということになりがちだ。
金山です。
“Effective Prototyping With Excel”と合わせて
“Effective Prototyping for Software Makers”
を読むと各種プロトタイピング手法の使いこなし方が分かって参考になります。
UPA2007のチュートリアルでは、著者陣が交替で説明してくれました。
その中でExcelを使った手法も紹介されており、書籍にまとめたようですね。
書籍用のウェブサイトもありますので、書籍で紹介された実データも取得できます。
http://www.effectiveprototyping.com/
# いきなりのコメントで失礼しました。
金山さん、
情報ありがとうございます。
Excelを使ったページワイヤーフレーム(概要ドキュメント)は日常的に業務でも作っていて、それを用いたペーパープロトタイピングも実施しているため、考え方の違いを興味深く読みました。
まあでも、ここまでプロトタイピングするならHTMLプロトを作った方がいいような気がするなあ。
はじめまして。時折ブログを拝見させていただいています。
確かにここまでexcelでプロトタイプする必要があるのか、というのは私も感じました。
ただ、外資に勤めていた経験上、Excelをここまで使い倒す理由も分かるような気がします。著者たちの遍歴を見ても、みなさん大企業ですし、Excelによるプロトタイプ作成ならびに情報共有が都合がいいという環境にいたのではないかと推察します。
欧米ではデザイナー、エンジニア、UXエキスパート、と個人の専門性が細分化される中、それぞれ特化した教育を受け、またその過程でマスターするツールも随分違うという印象を受けます。特にユーザー・エクスペリエンスの専門家となると、必ずしもHTMLやFlashといったスキルを持ち合わせ、また実践している訳ではありません。
そんな彼らがペーパープロトタイプの次のステップとして:
◯グリッドがある
◯コーディングの必要がない
◯メールで配布する際もファイル一つで済む、
という観点からExcelの利便性を感じてこの本を購入するのでは、と推察します。
とはいえ、私も読んでいて「再利用」の点に疑問を持ちました。修正する手間を考えると、あまり複雑な設計には向かないと思いますし。エクセルのTipsとしては興味深かったです。
#突然、大変失礼致しました。
突然失礼致しました。
Ichikawaさん、
確かにオフィスツールとしてのExcelの有用性(汎用性)は高いですよね。
その意味でものすごく理解できます。
なので、仕様をまとめるためのドキュメントとして、Excelを使うのはぎりぎりアリだと思っていますが、さすがにプロトタイピングはねえ、ってのが実感です。
ちなみに、最新版のExcel 2008 for Macでは、「グリッドにスナップ」の機能がなくなりました。
IA Summit 09では、毎年Deliverablesの定義を行っているeihtshapesが、今年はInDesignを中心にした納品物の提案を行っていました。確かにWinとMacの両プラットフォームで提供されていますが、InDesignのほうが閾が高いですね。