昨日(3/9)、主宰しているService Design Network 日本支部のメンバーミートアップを開催した。活動の内容を共有したり、意見交換をしたりと有意義な会であったのだが、そこで気づいた論点をメモしておく。
オープンディスカッションの中で出てきた日本のサービスデザインの特色や優位性、オリジナリティの議論。その中で今後も深掘りしていきたいと思った視点は以下:
- リクルートテクノロジーズの岩佐さんからは販売における接客視点をデジタルサービスは取り入れなければならないという指摘がなされた。現状のデジタルインターフェイスは、基本サービス提供側の機能を見せているわけだが、ユーザーの性格や状況に合わせてコミュニケーションの温度を変えていかねばならないという話。接客の多様性は販売員の腕の見せ所であるが、これは機械学習で抽出できる性質のものなのか、また、顧客へのたとえばUIが変化するといったような、対応のバリエーションというものは、どの幅までを想定すればいいものなのか。
- 自分で思いついたことだが、Amazon Echoは実はけっこういいスピーカーで、部屋に置いておくスピーカーとしての存在感で家庭に溶け込むことができる。そういった、主の目的とは別に「そこにあってもよい」と思わせる多数の副次的な機能や役割といったものがIoTの普及では鍵となる。AppleWatchをつけると他の腕時計をつけることができなくなるとか、ヘッドフォンはどんなに気に入ったものが複数あっても同時に1つしかつけられないというような話もいっしょ。実は家庭においてすでにいろいろなものが有機的に統合されているという意味では、日本の家庭での家電活用はけっこう面白い水準にあるのではないかと思っている。そういった多層的、あるいはネットワーク的にからまっている状況というものをスタディすることで新しいサービスなり、価値提供のヒントなりが得られるのではないか。逆にそういったことを意識しないで、きょうびぽんと機能だけをもたらすIoTってのはちょっと無自覚すぎるというか、脇が甘すぎるということになろう。まあ、生態系を意識してサービスをデザインせねばならない、と言ってしまえばそういうことになるのだが。
しかしながら、個人的には先週行っていたCSCW17(ACM Conference on Computer Supported Cooperative Work and Social Computing 2017)の盛り上がりばかりをみなに吹聴してまわっていたようにも思う。そちらはそちらで別途書き残そうと思う。