unconference」タグアーカイブ

unconference

ひさびさの書き込み。

10月29日、30日に開催された、東京大学・知の構造化センター主催の「PingPongプロジェクトシンポジウム」に参加してきた。

知の構造化センター・シンポジウム開催
http://blog.pingpong.ne.jp/?p=370

このシンポジウムでは「動く地図を作る」という刺激的なタイトルで、初日がPOD1からPOD3と題されたテーマ講演、二日目がunconferenceの形式で実施された。

POD1では、知の構造の理解=形の理解、ではなく、地図の作り方自体の理解である、というikeg先生の基調講演に始まり、情報の視覚化、ユーザー体験デザイン、インターフェイス、テクノロジーを活用した社会、といった分野に対して新しい視点を与えるきっかけが数多く得られた。

また、サイエンスとしても、ikeg先生の複雑系の理解を発展させた、社会システム理解のあたらしいかたちを考えるきっかけになると思う。

さて本題は、unconference。

先日のNew Context Conferenceでもunconferenceは開催されていたが、残念ながら初日のパネルディスカッションしか参加できなかったので初参加となった。

Unconference – Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Unconference

UnconferenceとはTim O’Rellyが、既存のカンファレンスでのセミナーやワークショップが予定調和的になっていることへのアンチテーゼとして生み出したセッション運営の形式。

特徴として、セッションの枠だけ決めておいて、当日に内容を決める、ということがある。

すべてのセッションの前に、ホワイトボードに枠だけ書いて(今回のPingPongでは1セッション30分で、3トラック × 4セッション)、せーのっでセッションを組みたい人が書き込んでいく。

当日決める、といってもセッションオーガナイザーには、資料を準備したり、形式を決めたりという普通のセッションと変わらないような準備が求められる(30分くらいで)。

といっても、初日の講演を受けて、とか、この場に集まっている人とこの話題で話したい、といったような、テーマでOKで、要するにこれまではカンファレンス会場の隣のロビーとかメインのセッションを抜け出してやっていたような議論を表舞台にしてしまう、というしかけ。準備といっても問題意識を箇条書きにしたり、といったものとなる。

@etoさんやら@kensuzukiやらによって瞬く間に枠は埋まっていき、慌てて僕も一枠確保。

テーマは、前日のPingPongプロジェクトの原宿でのTweetを視覚化した地図をネタにした、「知の構造化の視覚化がメンタルモデルをどう変えるか」。

具体的には、PingPongスタッフの 地図UIをデモしてもらい、「そのマップを見ることで利用者の行動はどのように変化させられるのか」について議論を行う、という会を計画した。

おもしろかったのは、3パラレルトラックのうちトラック2だけがustされるのだが(ちなみにustはヒマナイヌさんによる超ハイクオリティustreamでした)、トラック2から埋まっていったこと。

それは単に目立ちたいからというわけではなく(たぶん)、ustされる価値がありそう、という観点のセッションから声があがったということで、その観点もunconferenceっぽい(気がした)。

セッションの模様は以下のustアーカイブと、ホワイトボードのキャプチャ参照:

参加者が自己組織的にプログラムを作る分科会形式:アンカンファレンス – himag
http://www.himanainu.jp/himag/?p=3523

(全体をustしているので、1時間23分くらいから僕のセッションが始まります)

セッション2dの議論の結果(ホワイトボード)
http://plixi.com/p/54044112

僕のセッションでは、PingPongディレクターメンバーの岡さん、Leeさんをはじめとして、ikegさん、@etoさん@kensuzukiくん、など豪華な顔ぶれが勢揃いし、かなり充実した議論を楽しむことができた。

上がったトピックとしては、「視覚化における編集」、「システムを利用してもらう、あるいは利用し続けてもらうためのしかけ」、そのための「愛すべきシステム」、「目的を持ったシステム、持たないシステム」、「見せないことの重要性」、「ブラタモリ」、「行動の動機付け」といったような観点。これらの観点について、各参加者の意見が交換された。

この臨場感は、unconferenceのホットなトピックを扱える特性によると思う。

HCD-Netの次回フォーラムあたりで、この方式での議論を実施してみたいと思う。