マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン Loveless (P‐Vine Books)
「通常、レコードを作るときは、中音域を抑え、高音域と低音域とを上げることで、よりスウィートな響きにしようとする。さらにステレオ・セパレーションやリヴァーブ、アンビエンスなどを駆使して、よりハイファイなサウンドに仕立てあげる。そうやってビッグな、空間的広がりのあるサウンドを求めることが多い。でも、ぼくが録音したものは、ほとんどモノラルだった。『スーン』はモノラルだし、『トゥ・ヒア・ノウズ・ホエン』もモノラル。ステレオ・セパレーションのかけらもない。(略)」
「ぼくにとって重要だったのは、ギターをサウンドの中央で爆発させること。あとは、コーラスとかのモジュレーション・エフェクトを避けること。つまり、コーラス、フランジャー、フェイザーといったエフェクター類の使用や、機械的なサウンド・モジュレーションは徹底的に廃した。(略)」