ペルソナ・シナリオ法という言葉がはやっている。
ペルソナ法とは簡単に言ってしまうと、デザインをするとき、一般的でない、具体的な利用者をイメージせよ、という方法。
先日もそういったセミナーを開催したが(すいませんQ&Aの結果はもうじきこの場でお答えします)、その際いつも、「ペルソナ法だとその人向けだけに特化されてしまうのではないか?」という趣旨の質問をいただく。
毎回「そういうものではなく、具体的に対象者を想定することで企画が具体的になる、ということを意図しているんです」という返事をしているのだが、たまたま読んでいた塩野七生さんの「男たちへ」にそのものずばりの解答が載っていた。
(略)ここには、創作活動のカギの一つが見事に言いつくされている。(略)その私でも書くときは、読者は頭になく、眼の前の担当編集者に向かって書く。彼を、でなければ彼女を、うならせてみたいという思いだけで書く。なぜなら、それが上手くいけば、その向こうにいる不特定多数の読者にも自然に通じる、と確信しているからである。(太字は傍点部)
男たちへ―フツウの男をフツウでない男にするための54章 (文春文庫)
とまあ、そういうわけなんです。