土曜、朝食後に実家から笹巻きやらお肉やらが届く。
笹巻きとは、山形の郷土料理で、笹で餅米を巻いたもので、具が入っていないちまきみたいなもの。
山形ではこれに納豆やきな粉黒蜜をあえていただく。
笹に殺菌作用があることから生まれたものらしいが、確かうちの実家では近くに笹を取りに行って、それで巻いていた。
「近くに取りに行く」ってのが、幼い頃は当然な気もしていたし、買わないのがせこいな、とすら思っていたが、いまになってみるとむしろそのほうが贅沢と思う。
早速納豆で和えて昼飯にいただく。
ちなみに山形ではお正月の餅も主力は納豆餅で、のり餅、ぬた(仙台風に言うとずんだ、大豆をすりつぶしてつくる緑色のあんこ)餅、(小豆の)あんこ餅、そしてお雑煮(うちの実家は鶏出汁にゴボウ)といったバリエーションとなる。
いっしょにお肉も届いたので、せっかくだからと思い立って最近首都大学東京の助教に就任された安藤くんに電話して来てもらうことにする。
翌日日曜になぜかがらでもなく女性誌から拙宅を取材してもらうことになり、BBQ風景を撮影したい、とのリクエストがあったため、ちょうど切らしていた火起こしグッズやら食材を近くの西友に買いに行く。
しばし原稿などを書いた後、早速料理の下準備。メニューは、ラムチョップ、漬け込んだスペアリブ、タコのマリネ、ムーミンの料理本に出ていたヤンソンさんのグラタン、など。
スペアリブは生パイナップル、しょうゆ、蜂蜜、すり下ろしたニンニクで漬け込む。
ニンニクが上等すぎて(?)かなり味が強く、かつすり下ろすと粘りがでる。
タコマリネはオリーブで味付け。これまたニンニクがちょっと強いので若干辛め。
ヤンソンさんのグラタンはジャガイモの千切り、バター炒めしたタマネギ、アンチョビフィレに生クリームをまぶしたグラタン。塩気はアンチョビだけなのだがけっこうしっかりと味がつく。
参考:ムーミンママのお料理の本
と翌日の準備をしていると、安藤くんが到着。
しまった、今日の準備をなにもしていなかったと若干焦るが、まあ、お肉を食べながら、ととりあえず肉やそのへんにある野菜を焼きながら乾杯する。
お肉は塩こしょうしたステーキと薄切りを辛し醤油でいただく。
(うちにいらっしゃる方は事前にリクエストいただけると取り寄せますの言ってください)
今日は安藤くんの研究テーマについて話をするという前提が一応あったのだが、実は僕もよく知らなかった安藤くんの半生についてをプレゼンテーションいただき、あとはコミュニティ特有のコミュニケーション手順などについて語っているうちにお互いに酔っぱらい、いい気分になってきたので研究の内容に到達する前にお開きとなる。
10数年前の学生時代の提案書も一瞬で呼び出せる安藤くんの情報管理能力に驚く。
翌日曜。
コーポラティブハウス実地見学の一団が来邸。
思えばうちも家を建てる前に何軒か実際に見せてもらった経験が大変役にたった覚えがある。
理論と実践、ではないが、なにかをする、と決断をすると見えてくる課題というものはあるもので、これが「手を動かして考える」ということなのだろう。
続いて、雑誌取材の方々が来邸。
一通りご案内した後、火起こししてBBQ実演。
奮発して固い備長炭を買ってしまったため、なかなか火がつきにくく、また火がついてからはじんわり長く燃えるという、実に取材に不向きな火力であったが、なんとかそれっぽい感じになる。
編集の鈴木さんが段取りがよく、かつ判断が的確で、やはり現場を取り仕切る方はこうでなくっちゃと感心することしきり。
実に気持ちよく進められた。
撮影後はスタッフのみなさんとお肉やらをいただく。
さて原稿の続きにとりかからねば。