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IxDA interaction 09報告会

本日のグループ会では、jojiくんによる先週バンクーバーで開催されたInteraction Design Association(IxDA)主催のカンファレンスinteraction 09の報告。

会議は今年で2回目、ウェブとプロダクトの両方の分野から参加者があった模様。
デジタルに限定されない参加者だったようだ。

jojiくんが参加したワークショップと本会議について報告を受ける。

ワークショップは観察によるフィールドリサーチからいかにデザイン要件を抽出するか、というものと、手書きドローイングによるアイデアスケッチの実習。

jojiくんはこのワークショップでいろいろと腑に落ちたようで、今後のプロジェクトでぜひ実施していきたいとのこと。

僕自身もワークショップや聞きかじった新しい手法をプロジェクトや自分の授業やいろいろなところで実際に勝手な解釈でためして、それで理解が深まったことが多くある。

こういった「体験」はそれで得られたことを要約して理論化して伝えただけではやはりニュアンスが伝わらない。

よくよく考えると、僕自身もそういった理論として離すとき、頭の中では自分の体験に基づく実例をイメージしながら話をしている。

そのこと自体は話されていないわけでそりゃ100%は伝わらないわな。

というわけでコンセントの諸君、どんどんとワークショップに参加してください。

と、二つ目のワークショップ「ドローイングアイデア」の話を聞いて、かつて通販で購入して独学に使った、「VisAbility」という、たしかMIT Pressあたりから出ていた、視覚コミュニケーション教材を思い出した。

キットはCD-ROMとテキスト、それとスケッチブックから構成されており、ドローイングの練習なんかもできる。

いま検索してもひっかからないのだが、スペルが違っているのかな?現代風に再アレンジして出版されないものかな?

会議本体はJared SpoolとかDan SafferとかDesign IT!とかIA Summit等でお会いした面々。

とよく見たらIA InstituteとかResenfeld Mediaもスポンサードしていた。

Danは7月に開催されるHCI Internationalでもチュートリアルを受け持つようだし、いろいろとやはりかぶるものだ。

スピーチ内容で興味深かったのは、

  • 今後は世界的に見て1万人くらいのIxデザイナが必要
  • Ixデザイナの採用はレジュメを見ても判断がつかない
  • 汎用のインタラクションデザインでは「前の人がなにをやっていたか」にも着目する
    (Darren David from Stimulant)

jojiくんおつかれさんでした。

Kindleのユーザー体験

あんまし普通の日の備忘録は面白くないことがわかったので、やはり特定のトピックに絞って書くことにしてみる。

最近Kindle 2がリリースされたが、そういえばKindleが出たとき(一年前)に購入しレポートを書きながらお蔵入りにさせていたのを思い出し、を今日のエントリとする。

ようやくAmazon Kindleを試した。
まだ、日本国内では販売をしていないが、評価のためにeBay経由で購入した、が、内蔵されている通信機能でアクティベートが必要なため、メニュー画面を眺めるしかなかった。
先日ちょうどIA Summitのため米国を訪れたため、無事にアクティベートさせることができ、基本的な機能を試すことができた。

まず、起動してみての印象は「銀河ヒッチハイクガイドみたい」。
銀河ヒッチハイクガイドとは80年代に書かれたダグラス・アダムスのSFで、2006年に映画化もされている。この3部作の小説は(最近2部作追加された が)、銀河バイパス建設のために破壊された地球からヒッチハイクをして逃げ出したアーサーとフォードの物語。この小説で重要な役割を占めるのが銀河を渡り 歩くのに欠かせない、「銀河ヒッチハイク」というガイドブック。このガイドブックには宇宙すべての場所の情報が網羅されている(ちなみに地球については 「ほとんど無害」という記述だった、改訂されたみたいだが)。小説版ではその姿は想像するしかなくかなり謎だったが、映画版ではオンラインコンテンツ ビューアー的なデバイスとなっていた。
動き出したKindleはちょうどこの銀河ヒッチハイクガイドみたいな感じだった。

と、余談は置いておき、具体的なKindleの特徴を分析してみる。

これまでも、Plamだったり、携帯だったり、SONYの電子ブックビューアーだったり、iPhoneだったり、いろいろなデバイスで読書は試みているが単にデジタルデータ化された本データをブラウズする、だけではない感覚がある。

第一印象

まず、サイズ、フォント、重さといった経常的な特徴としては、読む気にさせるデバイスだと言える。
ためしにサンプルをいくつかダウンロードしてカフェやベッドで読んでみたが、けっこう何ページ分か読んでも実用的。

実用的というのは、まず読んでいて疲れない。
携帯で文章を読むと、一画面に表示される量が少なすぎて、目で文章を追いながらスクロールさせる必要があり落ち着かない。
ここが大画面液晶のせいでストレスがない。

表示がE-Inkという特殊なディスプレイなのでいちいち挙動にタイムラグがあるところはあるが、まあ、本文を読んでいるぶんには許容。
ウェブブラウジングだとちょっと厳しいかもしれないが、そういうデバイスではない。

また、ページめくりも、Kindle 2の時点では評判が悪かったという評価が下されているが、デバイスの右端全体がページ送りボタンになっており、読書に没頭して読むときには片手で読めるために使い勝手がよかった。

むしろ、寝転がって読むときなど、始めと終わりで持つ本のバランスも変わらないし、右側と左側で体勢を変えなければならないような読み方をしなくてよいので、これはあたらしい読書体験だった。

あと、細かいがせっかくE-Inkを使っていながら、電源が裏側にあるので、ついいれっぱなしにしてしまう。

このせいで使いたいとき電源が切れることが多い。

メニュー構成

操作する際のメニュー構成はわかりにくい。

独特のくるくるナビ(上下)とそのクリックによるメニュー選択を採用しているが、この操作と「前ページ」「後ページ」のボタンとが完全に独立している。

E-Inkの仕様上、タッチパネルにはできないので、画面内に選択肢が出てくると、画面右側にある物理的なゲージのようなものの中のカーソル(水銀式体温計の水銀みたいに見える)をくるくるダイヤルで動かす。
と、文章で読んでもよくわからないが、まあ、独特の操作ダイヤル。

これはまあ、いいとして、問題はこの操作と、本のページ送り、戻りが完全に別系統になってしまっていること。

頭の中ではなんとなく「メニュー第一階層の選択肢の決定」と「次」が同じ機能に感じられるのだが、これが別系統なので混乱する。

また、ページナビゲーションには工夫が必要(ダイレクトジャンプ、章立て)

このあたりは、Kindle 2で改善されているのか注目される。
(されていないようであれば我々の仕事になる、ということですね)

ネット接続

高速ネット接続は速いし便利。

特に契約とか接続をしなくとも米国内にいれば高速ネット接続され、コンテンツは勝手にダウンロードされる。

このシームレスさは、快適でAmazonには投資になるだろうが、十分それに見合うユーザー体験を提供できていると思う。

っていうか、一般の人にはこのありがたさはむしろ気づかれないと思うのだが、その気づかれない、というのが重要。

普通は、ここは「面倒」というネガティブなニュアンスで気づくところだからだ。

本当に使いやすいインターフェイスは見えない

本当に望むこと

でも、本当に望む改善点はそこではない。

たぶんKindle 2にも搭載されないと思うが、改善(追加)してもらいたい機能がある。

それは、「物理的ブックマーク」

Kindleはその性質上、大量の本を収納できる。

かつそれらは全部読みかけにできる。

そうなったときに、「さっきまで読んでいたThe Blank Stateを途中から読もう」「あ、Designing Web Navigationのあのページあのページ」といったような、あの本のあそこを参照したいシチュエーションが起こることが想定される。

そういったモチベーションの時に、メニューからブックマークを選んで、というのはあまりにも面倒。

そんなときに欲しいのは、

R0010535

こんなふうに、物理的に飛び出てくるしおり。

ページを見ながら「このページにしおりをはさみたい」と思ったら、にょきっとこういったブックマークが出てくる。

次にそこに飛びたいときは、そのしおりを引っ張れば自動的に端末は立ち上がり、そこにジャンプする、という仕組み。

これって特許とかもとれそうだな。

機会損失的側面の計量方法

ユーザーインターフェイス、情報アーキテクチャ設計において、ここのところ機会損失の影響について考えさせられることが続いている。

一般に、ユーザーインターフェイスは必要な要件を積んでいっただけでは、いっぱいいっぱいになってしまい、飛行機の操縦席のようになってしまう。
最近では飛行機の操縦席も統合化されているようだが、とはいえ、エキスパートにはやはり物理的に計器が並んでいる方が「使いやすい」ことが多い。
しかしながら、初めて使う人、長期間にわたって使っているがコミットが低い人、などには、そういったいっぱいいっぱいインターフェイスは、どれからつかってよいかわからない、なにがなにかわからない、といった結果となってしまう。

ちなみにこれを最近「インターフェイスの共倒れ問題」と呼んでいる。

この問題自体はかれこれもう20年くらい語られてきていると思うが、じゃあ、どこまで単純化すればいいの、というポイント、(できるだけ)客観的なこの部分を評価するための指標、といったものをまだ見つけられていない。

おそらく安藤昌也氏の提唱した「長期的ユーザビリティ」の観点、インターフェイスの最低限の教示要件の観点、安全性能の観点(緊急停止とか、ミュートはダイレクトにやる必要がある、とか)、などの要件が足しあわされるのだと思うが、どうもそれだと通り一遍でつまらない。

最近のHCI関係ではそういったあたりも研究されていたりするのかな?
どういった分野を参照すればよいか、ご存じの方いたら教えてください。

IA day

去る6/13は一日IAイベントな日でした(もちろん通常業務もありますが)。

まず、午後イチで、アックゼロヨンシンポジウムにて情報アーキテクチャとは、という概論についてのセミナー。

アックゼロヨン・シンポジウム Vol. 1
サイト構造と情報設計 – インフォメーションアーキテクトの仕事

ここでの論旨は、1)情報アーキテクチャは職種ではなく職能としてとらえ、プロジェクトに関わる人みなが意識していくもの、2)IA技術自体は変わっていくが、基本的には利用者に対しての思いやりと、といった内容。

ウェブエコシステムにおけるIAや、設計の進め方におけるユーザー分析やユーザー経験フロー定義のあたりにも触れました。聞かれた方いらっしゃったら、ぜひ感想を伺いたいです。

その後、会社に戻り、通常業務をこなしつつ、夜にはIAAJワークショップとして、IA Summit 08報告会とIA Cocktail Partyを開催しました。

IA Summit 08 Redux in Tokyo Repor

IA Cocktail Party Tokyo Vol. 0

毎年実施しているこの報告会ですが、今年は報告者が3名だったこともあり、幅のある会になったと思います。

興味ある方は上記リンクから詳細をご覧ください(写真アリ)。

DUX2007へ

11/5〜7に米シカゴで開催される、DUX2007に参加してきます。

また、翌11/8に開催されるWorld Usability Day Chicagoにも参加します。
こちらは、日本会場にも生中継される予定です。

もし、行かれる方がいらっしゃればぜひご連絡ください。
また、「これは見てきて」というネタがあればぜひおしえてください。

シカゴは初めてですが、11月のシカゴは雪らしです。。。

HCD-Net Salon Vol.2 – Contextual Design –

去る10/16にコンセントを会場にして、HCD-Net(人間中心設計推進機構)主催のHCD-Net Salonが開催されました。

ウェブ関係、メーカーなど様々な業種の方約20名にお集まりいただき、Contextual Designの内容をベースに、各社のユーザー観察プロセスの実態や、Contextual Design(CD)の実施例などについてを議論しました。

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Numbers – iWork’08 – Apple

アップルからiWork’08として、Pages、Keynote、Numbersがリリースされた。

このなかでも注目は、ClarisWorks、AppleWorksといった統合アプリを除くと初のオリジナル表計算アプリとなるNumbers。

なるほどなあ、と目から鱗だったのがシートがそのままグリッドになっているのではなく、シート上に表組みを配置する、という概念。

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