認知科学学会主催の「知覚と創造」シンポジウムに参加。
11時〜5時までの中身のあるシンポジウムだった。ダイナミックアーキテクチャの概念についての勉強会をベースにしたシンポジウムであったが、出身バックグラウンドが多岐にわたっていたせいでおもしろかった。いわゆる認知実験の発表は、状況のコントロールが限定されすぎていてそのせいで一般の状況とのギャップがありすぎる。今回のシンポジウムはそこを定性的な議論に割り切っていたのが面白かった理由だろう。
議論は、1)創造(あるいは創造過程をまわすため)を促すためには自らのアウトプットを自身で再確認する「カップリング」過程が重要、2)カップリング過程は「創造の場」を作ることで発生させられる、という2点に要約されると思われる。
不明だった点は、「創造の場」の必要要件。創造のどのフェーズのために、どういったこと、という定性的でいいので場合分けができるかもしれない。
また、それと関連して、人が知覚したあとでどう変化するか、その人にはどういった違う刺激を与えればよいのか、については未だ見えず。
多摩美須永さんの「50枚ラフを描いていて、4枚描くとともう描くことがなくなる。30枚描くと、本当にかけなくなる。それでも描いていると手が勝手に動く。あとでそれを見ると発見がある。それが創造の場だ」は面白かった。