IAサミット初日の前日のプレカンファレンスワークショップの日。
今回で4回目となるリフレームIAセッションに参加。今回のテーマはMasterwork of IA(IAの代表作)。Pervasive IAの著者であるAndrea Resminiをはじめとして、パワフルなIAたちによるオーガナイズ。参加者もDan Klyn、Christina Wodtkeをはじめとした豪華な顔ぶれ。朝の9時から夕方5時までの終日ワークショップ。
http://eye.fi/SgMaQO
http://reframe-ia.org/
ワークショップは、まず、4名のライトニングトークによってマスターワークについての話題が提供された。Dan Klynはジェームズ・ジョイスとRSWの仕事比較して類似点と相違点とを指摘。Stacy Surlaは日本の民芸をとりあげ、その機能性や日常性について指摘した。昨年の情報の知覚的価値についてのプレゼンテーションの記憶も新しいMarsha Havertyは、IAのマスターワークはその裏側に潜むさまざまな意味を読み取れることを指摘した。
http://eye.fi/S8a5uU
その後、ライトニングトークの解釈についてディスカッションを行った後に、午前のワーク開始。まずは、机に積まれた雑誌をコラージュして、各自でIAのマスターワークを作る作業。みなでライトニングトークについて雑談をしながら、個人ワーク。先ほど民芸について話したStacyとは、柳宗理らの民芸のトップダウン的なアプローチ(民芸の「発見」)と、自然発生的に起こったボトムアップのアプローチ、それらの衝突について議論を行った。この視点は意外と重要と思う。
http://eye.fi/Smi3gx
ランチを挟みながら個人ワークして、ランチ後にプレゼンテーション。多様なコラージュがあり、興味深かった。その後、またライトニングトーク。Jorge Arangoは、ディズニーランドに潜む構造を分析し(ディズニーランドのトポロジーマップ)、そこからディズニーラインドの価値を指摘した。また、Christina WodtkeはCAMP:Context, Architecture, Mechanics, Poeticsというマスターワークを批評するための視点を提示した。
http://eye.fi/Sg8UvE
これらを経て、今度はIAのマスターワークのクライテリア(条件)を各自で洗い出すワーク。これらをテーブルごとにに整理しながら、ワールドカフェ形式で他チームと視点を混ぜ、最終的にテーブルごとのクライテリア(マスターワークの条件)を定義した。その後、また個人ワークにて自分の考えるマスターワーク及び、それがクライテリアを満たしているかを導きだし、それをグループ内でプレゼンテーション。それを受けて、チームごとに自分たちの定義したクライテリアとマスターワークをプレゼンテーションした。
我がチームで得られたクライテリアは以下、
Empowerment(人に与える効用)
Human(アクセシブルか、有用か、など)
Unique(独自性があるか)
Universal, not Local(汎用的であるか)
To Scale(スケールするか)
Contextual(文脈的か)
Aesthetic(美的か)
http://eye.fi/SzyAo2
我がテーブルからは、同じく日本から参加した石橋氏のGoogle Nowが選ばれ、全体にむけてプレゼンテーションを行った。
そして最後にそれらの視点に対してのディスカッション。途中からJesse James Garrett、Andrew Hintonなども加わり、マスターワークは意図的に作られなければならないのか、他のIAの解釈によってそうみなされるべきなのか、などについて率直な意見交換がなされた。これらの視点はコミュニティの発展及び、IAのクオリティを考えることに対して大変有用な論点となる。長時間であったが、大変生産的なワークショップであった。
http://eye.fi/SVSF1a
また、ワークショップデザインとしても、個人ワークとグループワークの組み合わせ方、さまざまなタスク設定、2分〜5分程度のテンポよい進め方がワークショップを効果的にしていた。こちらも見習うべき点が多かった。
日本でも同様のセッションをぜひ開催したい。
http://eye.fi/S9jJKF